eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)を分析。国内株式は不要かもしれない。

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 どうも、ぼーやんぐです。 

アベノミクス効果により、ここ5~6年で日経平均もだいぶ上がりました。

2018年10月には24,270円という高値をつけ、リーマンショック直後が7000円台だったので、3倍以上に上昇したことになります。

バブル崩壊から30年近く経ち、ようやく日本の株価も上昇をしていくのか...

ただ、心配事は山ほどあります。

日銀がETFを買っていることで、株価を押し上げていたり、超高齢化に向かっていたり、人口もどんどん減少していくなど、日本にとって大きな問題が山積みとなっています。

 

その上で、インデックス投資で世界に分散投資する場合、国内株式を入れるべきなのか、非常に悩むところです。

今回はeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)を分析しながら、投資対象としてどうなのか、考えていこうと思います。

 

 

 eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の基本情報

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投資対象

投資対象は国内株式、ベンチマークはTOPIXとなっています。

TOPIXとはTokyo Stock Price Indexの略で、東京証券取引所第一部に上場している全2108銘柄(2018年12月5日時点)を対象とした株価指数です。

日経平均に比べ、より広範囲をカバーした指数になります。

 

また、TOPIXと日経平均は算出方法が異なります。

簡単に言うとTOPIXは時価総額(発行株式数×株価)で算出されるのに対して、日経平均は単純平均(225銘柄の株価合計を225で割る)で算出されます。

そのため、日経平均は株価の高い銘柄の影響を受けやすくなり、ボラティリティーが高くなる傾向があります。

日経平均が日本を代表する指数ですが、TOPIXの方がより日本全体の経済状況を示す指数と言えます。

 

下記は2019年3月末時点での組入上位10銘柄です。

誰もが知る有名企業ばかりが上位を占めており、世界のトヨタ自動車がダントツの1位となっています。

日経平均ではファーストリテイリングが構成比率で1位ですが、TOPIXだと上位15位にも入っていません。

時価総額と株価単純平均では構成比率も大きく異なることが分かります。

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下記は業種の組入比率です。

米国では情報、通信などのインターネット関連業種が強いですが、日本はまだ物作りが強い国となっています。

この先、日本の企業でもAppleやGoogleなどの様に世界で活躍できる企業が出てくるのを期待したいです。

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(出展:eMAXIS Slim TOPIX 月次レポート )

 

コスト

次にコストを確認していきます。

eMAXIS Slimシリーズらしく安定の低コストファンドとなっています。

Smart-i TOPIXインデックスの値下げに対抗して2019年2月15日から信託報酬の値下げがされたばかりですが、さらに2019年5月14日に再度引き下げが行われます。

下記の表は値下げ後のコストになります。

また、eMAXIS Slimシリーズ定番の純資産総額に応じて、コストダウンする設定になっています。

間違えやすいですが、500億円を超えても500億円までの部分は0.140%のままで、500億円以上の部分のみが0.135%となりますので注意してください。

買付手数料 なし
信託財産保留額 なし
信託報酬 500億円未満の部分

0.140(税抜き)

信託報酬 500-1000億円の部分 0.135%(税抜き)
信託報酬 1000億円以上の部分 0.130%(税抜き)

 

www.boyang-boyang.com

 

運用成績 

eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)は2017年2月27日に設定されたファンドで、運用開始からもうすぐで2年が経過しました。

純資産総額は75億円(2019年3月末時点)とeMAXIS Slim先進国などに比べると、勢いは弱いです。

ただ、毎月3億円前後の流入は継続されているので、徐々に積み上がっていくと予想されます。

 

騰落率では、2018年10月から12月の下落で過去6ヶ月では-11.3%まで落ち込んでいますが、2019年に入り大きく反発し、過去3ヶ月は+7.7%と直近は好成績となっています。

ベンチマークとの乖離はファンドの成績のみが配当込みとなっているためです。 

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(出展:eMAXIS Slim TOPIX 月次レポート )

 

 

 

 

 eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)の競合は?

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競合となっているのは、ニッセイTOPIXインデックスファンドです。

  eMAXIS Slim ニッセイ
設定日 2017/2/27 2015/4/27
ベンチマーク TOPIX TOPIX
信託報酬 0.140%(税抜き) 0.159%(税抜き)
純資産総額 75億円 225億円
トータルリターン(1年) -5.20% -5.20%

(2019年1月24日現在)

 

ベンチマークが同じとなっているため、どちらに投資してもほぼ同じパフォーマンスとなります。

ただし、eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)は信託報酬の値下げをしますので、コスト差で僅かに高いリターンを得れると考えられます。

 

大きな差が出ているのが純資産総額です。

ニッセイは設定日が2年ほど早いためeMAXIS Slimの3倍強の純資産総額を集めています。

今年に入ってからの資金流入でもeMAXIS Slimは毎月3~4億円程度ですが、ニッセイは7~8億円程度と倍近い資金が流入しています。

SBI証券の売れ筋ランキングでもeMAXIS Slimが25位に対して、ニッセイは10位と人気の差も出ています。

eMAXIS Slimが信託報酬の値下げをしますので、資金流入の流れがどう変わるのか気になるところです。

 

現状、純資産総額の多いニッセイの方がより安定した運用を望めますが、正直好みの問題で選んでいいと思います。

eMAXIS Slimシリーズは他社に追随してコストを下げるので、コストにこだわる場合はeMAXIS Slimが有利だと言えそうです。

 

 

 国内株式は投資する必要はあるか?

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国内株式(TOPIX)に投資する場合2つのファンドに絞られました。

投資信託で長期投資する場合、世界に分散して投資するのがセオリーですが、国内株式を組入れる必要があるのか疑問を感じます。

 

理由の1つが日本国内の人口減少と超高齢化です。

つみたてNISAの投資期間が終わる20年後の2040年の予想では人口は1億1100万人にまで減少します。

2018年11月時点では1億2600万人なので、今後20年で1500万人も人口が減少します。

 

高齢化では約3人の1人が65歳以上となり、高齢者と生産年齢人口の比率が約1対1.5になります。

ということは1.5人で1人の高齢者を支えていくことになります。

そうなれば、税金や保険料なども上がり続けるため、多くの人が消費に回せるお金が減り、日本の経済が縮小していくと考えられます。

特に国内だけに目を向けている企業は、この先厳しい現実が待っているかもしれません。

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(出展:国立社会保障・人口問題研究所

 

もう1つはインターネット関連で世界的な企業が出てこないことです。

米国のように世界にサービスを提供しているアマゾンやグーグルなどのような企業が日本には無いです。

TOPIXの上位銘柄を見ても、今後画期的な製品やサービスを開発して、さらに大きく成長できそうな企業もほとんど無いように感じます。

 

この2点を考えると、米国の様に株価が右肩あがりを続けるのが難しいように感じます。

国内全ての企業の成長が期待出来ないという訳ではないですが、指数として魅力を感じることが出来ないです。

それなら、いっその事アクティブファンドに投資した方が良いのかなと思います。

【関連記事】【MHAM新興成長株オープン(愛称:J-フロンティア) ファンド通信到着】良好なパフォーマンスを継続中

 

世界の時価総額で日本が占める割合は7〜8%ほどです。

大きな影響は無いと思うので、思い切って国内株式は無しにしても良いのではないでしょうか。

 

一応、つみたてNISAiDeCo(SBI証券)には対応しているので、投資する場合は税制面での優遇を受けることはできます。

 

 

 eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)のまとめ

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TOPIXに連動した成果を目指すeMAXIS Slim国内株式(TOPIX)。

コストも安いので、長期投資にも向いておりファンド自体は問題ありません。

 

しかし、国内株式市場がこの先、上昇を続けていく可能性は非常に低いと考えられます。

人口減少と高齢化、また世界的なシェアを取れる新しい企業もありません。

なので、ファンドというよりも、国内株式への投資を見送った方が良いと思います。

世界に時価総額比率で投資した場合、国内株式は7~8%程度なので、大きな影響もないでしょう。

 

すでに国内株式に投資している方、この先しようとしている方の参考になると嬉しいです。

 

今日も『Boyang Journal』に来ていただきありがとうございます!

 

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国内株式の将来について、より詳しく書いた記事です。