東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)を徹底分析。リスクを抑え国内全体に投資できる投資信託。

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どうも、ぼーやんぐです。

 

つみたてNISAがはじまり、新たに投資をはじめる人が増えてきています。

 

そのため1本で複数の資産クラスに投資できるバランスファンドへの人気が高まっています。

 

今回はバランスファンド2018年の資金流入ランキング1位の東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)を分析、投資対象としてどうか考えていこうと思います。

 

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東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)の基本情報

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東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)は2012年11月9日に運用開始された国内の資産クラスに投資できるアクティブ型のバランスファンドです。

 

償還日が2032年7月23日と決まっているので、中期投資向け、または出口が近い人が適したファンドと言えそうです。

 

償還日が20年以内のため、つみたてNISAには対応していません。

 

投資対象

投資対象は国内の債券・株式・REIT(不動産)と3つの資産クラスに投資できるバランスファンドです。

 

1つのファンドで国内全体に投資するイメージです。

 

基本的な資産配分は債券70%・株式15%・REIT15%と非常に低リスクなファンドとなっています。

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(出典:東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)目論見書)

 

さらに、基準価格の変動が大きくなった場合には株式とREITの比率を下げ、変動リスクを3%程度に抑えるよう、資産配分の調整も行われます。

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(出典:東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)目論見書)

 

運用はファミリーファンド方式で運用されています。

 

各資産クラスの投資対象は下記の通りです。

 

債券は主に法人が発行している社債に投資されています。

 

株式はTOPIXより価格変動を抑えつつ、中長期的にTOPIX程度のリターンを目指して運用されています。

 

REITは上場しているファンドを投資対象とし、時価総額構成比を基本として投資されます。

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(出典:東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)目論見書)

 

コスト

投資、運用にかかるコストは下記の通りになっています。

買付手数料(1,000万円未満) 1.62%
買付手数料(1,000万円以上) 1.08%
信託財産保留額 なし
解約手数料 なし
信託報酬  0.9072%(税込)

 

買付手数料がかかるファンドとなっており、対面・インターネットともに上記の手数料がかかります。

 

100万円投資するだけで1万6,200円の手数料がかかってしまいます。

 

そのため、短期目的で投資すると手数料負けしてしまう可能性が高いので、投資する際はある程度の保有期間を設けた方が良いでしょう。

 

信託報酬は0.9072%と昨今のインデックスファンドと比較すると、かなり割高です。

 

ぼーやんぐが投資しているeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は0.17172%となっているので、東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)がどれだけ高いコストか分かると思います。

 

 

東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)の運用成績

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東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)は2019年5月で運用開始から6年半が経過します。

 

下記は設定来のチャートです。(2019年3月末時点)

 

まず驚くのは純資産総額の大きさで、5,397億円まで集まっています。

 

ひふみプラスレベルの純資産総額です。

 

資金流入も安定しており、ここ1年間は毎月150億円ほどの流入があります。

 

販売会社を見ると多数の地方銀行や証券会社でも取り扱いをしているので、高齢者を中心にリスクを抑えた運用をしたい人が投資していると考えられます。

 

ただし銀行や証券会社は手数料をぼったくるつもりで、営業をかけてくる場合がありますので注意してください。

 

2018年にはバランスファンドの資金流入ランキングで1位となっており、1年間で1,850億円もの流入を記録しています。

 

先ほどコスト面で紹介したeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は232億円(2019年3月末時点)なので、どれだけ多くの純資産総額を誇っているかが分かりますね。

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(出典:東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)月次レポート)

 

騰落率は非常に安定しており、全期間でプラスとなっています。

 

2018年後半に株式市場が大きく下落しましたが、債券70%と低リスクのため影響は少なかったようです。

 

大きく資産を増やすことはできませんが、コツコツと確実に積立ていけるファンドと言えそうです。

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(出典:東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)月次レポート)

 

また、ファンド名通り、毎月分配型のファンドとなります。

 

ここ5年間は毎月1万口当たり30円の分配金が出ています。

 

2014年から30円を維持しているので、運用開始から安定した運用が行われていることが分かります。

 

ただし、注意しなければいけないのは、先ほどのチャートを見て分かる通り、分配金を再投資しなかった場合、基準価格は2014年頃から下落を続けています。

 

しかも分配金を受け取ると課税されるため、運用効率が非常に悪くなります。

 

分配金は必ず再投資することをお勧めします。

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(出典:東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)月次レポート)

 

 

 

東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)は投資対象としてどうか?

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結論から言うと投資対象としてはお勧めできません。

 

お勧めできない3つのポイントがあります。 

 

国内(日本)のみへの投資

まず1番大きな理由は国内(日本)のみにしか投資できないことです。

 

現在、投資信託では世界の資産クラスに分散投資することが主流となってきています。

 

それは1つの国への集中投資はリスクを高めるからです。

 

特に日本はこの先、超高齢化社会に突入し、人口も減少していきます。

 

そのため、経済的な成長が期待できないので、株式・REITともに投資対象としての魅力は薄いです。

 

また、東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)の70%は社債に投資されています。

 

社債は企業にお金を貸すことです。

 

国内企業の成長が止まれば社債の返済リスク、企業の破綻リスクも高まるため、今まで通り安定した運用ができなくなる可能性もあります。

 

ファンド設定が2012年のため、今までの安定した運用はリーマンショック後のアベノミクスによる景気回復期と重なっていたためとも考えられます。

 

間も無く、景気後退期に突入するとも予測されていますので、この先の不安要素非常に大きいため、投資対象としては避けた方が良いでしょう。

 

国内株式について下記の記事で詳しく書いていますので、参考にしてください。

 

毎月分配型

毎月分配型というのもおすすめできないポイントです。

 

先述した通り、分配金を再投資しないと基準価格は下落を続けています。

 

それは、ファンドの運用利回りだけで分配金を賄えていないことになります。

 

ファンドの成績が悪くなれば、分配金が出なくなる可能性もありますので、分配金に期待して投資するのは避けた方が良いでしょう。

 

また、利回りの低いファンドにも関わらずコストが割高なので、運用成績が傾けばコストが大きな負担となってきます。 

 

償還日が決まっている 

最後にもう1つおすすめできないポイントは、償還日が決まっていることです。

 

もし償還直前に暴落が起きれば、保有を続けて基準価格が戻るのを待つこともできません。

 

強制的に売却されてしまうため、投資の出口が運次第となってしまいます。

 

バランスファンドはただでさえ出口が難しいのに、償還日が決まっているとさらに難易度が上がってしまいます。

 

以上の点から、東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)への投資はおすすめできません。

 

 

 

さいごに

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今回は東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)の分析、投資対象としてどうか考えてきました。

 

リスクを極力抑えて運用をしたい人向けのファンドと言えます。

 

しかし国内のみに投資するというのは、この先非常にリスクが高いと考えられます。

 

もし今から積立投資をはじめるなら世界に分散して投資できるファンドを選ぶべきでしょう。

 

先ほど紹介したeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)なら世界中の株式・債券・REITに投資できるにも関わらず、コストも低いです。

 

また、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドも世界中の株式・債券に投資ができます。

 

独立型投信として常に多くの情報を発信しており、投資家も安心して長期間の積立や保有ができます。

 

個人的におすすめのバランスファンドです。

 

今日も『ぼーやんぐのインデックス投資ブログ』に来ていただきありがとうございます!

 

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