どうも、ぼーやんぐです。
2018年5月22日に運用開始されたフィデリティ・米国株式ファンド。
SBI証券でも2019年4月9日より取り扱いがスタートしました。
今回はフィデリティ・米国株式ファンドの分析と投資対象としてどうか確認していきます。
- フィデリティ・米国株式ファンドの基本情報
- フィデリティ・米国株式ファンドの運用成績
- フィデリティ・米国株式ファンドは投資対象としてどうか?
- フィデリティ・米国株式ファンドに投資するならS&P500に投資するべき
- さいごに
フィデリティ・米国株式ファンドの基本情報
基本情報
フィデリティは1946年に米国ボストンで誕生した老舗の資産運用会社です。
日本でも1969年にフィデリティ証券として拠点を構え、2019年で50年を迎える歴史ある会社です。
そんなフィデリティが米国株式に投資できるアクティブファンドフィデリティ・米国株式ファンドを2018年5月22日に設定しました。
償還日は2028年5月22日と運用期間は10年間となっています。
4つのコースがある
本ファンドは下記の4つのコースに分けられており、投資家が自分の好みのコースを選択することが可能となっています。
Aコース(資産成長型・為替ヘッジあり)
Bコース(資産成長型・為替ヘッジなし)
Cコース(分配重視型・為替ヘッジあり)
Dコース(分配重視型・為替ヘッジなし)
資産成長型は決算が年に1回となっており、年に1度分配が行われます。
分配重視型は決算が年に4回(2月、5月、8月、11月)にあり、年に4回の分配が行われます。
為替ヘッジとは『あり』の場合は円で投資、『なし』の場合ははドルで投資していることになります。
円高になれば『為替ヘッジあり』の方が成績がよくなり、逆に円安になれば『為替ヘッジなし』の方が成績がよくなります。
運用プロセス
ファンドの運用は米国のフィデリティ・マネイジメント・アンド・リサーチ・カンパニーというフィデリティの関連会社に委託されます。
気になるのは米国株式ファンドという名前ですが、米国以外の株式も対象となっているということです。
(出典:フィデリティ・米国株式ファンド目論見書)
ファンドの仕組みはファミリーファンド方式となっています。
投資対象
投資対象は米国株式の中でも高い成長性を期待できる銘柄に投資されています。
下記は組入上位10銘柄です。
現状、上位銘柄は全て米国企業ですが、米国企業以外も投資対象となっているので、今後米国以外の企業も上位に入ってくる可能性はありそうです。
組入銘柄は全215銘柄とアクティブファンドとしては多めとなっています。
下記は組入上位5業種のグラフです。
上位銘柄を見てわかる通り、ハイテク銘柄が大きな割合を占めています。
コスト
コストは4コースともに同じとなっています。
買付手数料 なし(対面の場合は3.24%)
信託報酬 1.62%(税込)
信託財産保留額 なし
信託報酬が少し高めの設定ですが、買付手数料と信託財産保留額はなしのノーロードファンドとなっています。
ただ、対面では買付手数料がかかるので、投資する場合は必ずネット証券会社からの投資をおすすめします。
フィデリティ・米国株式ファンドの運用成績
各コースの3月末時点での運用成績を確認していきます。
Aコース(資産成長型・為替ヘッジあり)
2018年10月~12月にかけて米国株式は大きく下落したため、6ヶ月の騰落率はマイナスとなっています。
しかし2019年に入ってから大きく反発しており、3ヶ月の成績は15.30%と好調です。
純資産総額は1年弱で300億円を超えていますが、2018年10月から資金流入が止まり、純資産総額は半年間横ばいとなっています。
Bコース(資産成長型・為替ヘッジなし)
Bコースは為替ヘッジなしのため、Aコースの為替ヘッジありに比べて、リスクが少し高くなっています。
個人的には『ドル』で資産を保有した方が、通貨のリスク分散になるので、為替ヘッジなしの方が良いと思います。
純資産総額は460億円と4コースの中で一番大きくなっていますが、Aコース同様、2018年10月から資金流入が極端に減っています。
A、Bコースともに決算は5月20日のため、まだ分配は一度もされていません。
Cコース(分配重視型・為替ヘッジあり)
基準価格の値動き、騰落率はAコースとほぼ同じとなっています。
3回の決算を終えていますが、分配は初回に100円が出ましたが、それ以降の2回は分配金はゼロとなっています。
純資産総額はA,Bコースに比べて76億円と資金流入の勢いが弱いです。
『分配が多いファンドは良くない』というのが多くの投資家に浸透してきているのかもしれません。
Dコース(分配重視型・為替ヘッジなし)
こちらもBコースと値動き、基準価格はほぼ同じとなっています。
分配金はCコース同様、初回の100円のみとなっています。
純資産総額は153億円とこちらもA、Bコースと比べると少ない流入となってます。
フィデリティ・米国株式ファンドは投資対象としてどうか?
米国株式に投資できるアクティブファンドはまだ数が少なく、フィデリティという老舗ファンドが運営しているためか、純資産総額も4コース合わせて1年弱で1,000万円を超えています。
しかも、既存の米国アクティブファンドと比べるとコストも低めです。
純資産総額的には1,000億円を超える人気ファンドとなっていますが、投資対象としては個人的にはおすすめ出来ません。
おすすめ出来ない理由の1つが信託報酬です。
既存の米国株式アクティブファンドと比べると低いですが、それでも1.62%と割高で、
長期的な投資を考えると負担は大きいです。
また、組入銘柄数も215銘柄と多めのなので、S&P500と近い値動きになるだろうと予想されます。
過去の実績からもアクティブファンドが長期間インデックスファンドをアウトパフォームする事は非常に困難なため、本ファンドへの投資は避けた方が良いと考えられます。
もう1つ気になるのは、資金流入が止まっていることです。
2018年10月から純資産総額はほとんど増えていないため、この先大きな下落があれば、一気に資産流出が起きる可能性もありますので、注意が必要です。
また、4ファンドのうち分配重視型のC、Dコースは特に投資は避けるべきです。
分配金はファンドの資金を削るため、基準価格の下落を招きますし、分配金を受け取ることで課税もされてしまうので、効率的な運用ができません
以上の理由からフィデリティ・米国株式ファンドへの投資は個人的には避けた方が良いと考えます。
S&P500をアウトパフォームしている米国株式アクティブファンドもありますので、下記を参考にしてください。
フィデリティ・米国株式ファンドに投資するならS&P500に投資するべき
先述した通りフィデリティ・米国株式ファンドへの投資はあまりおすすめできません。
S&P500に連動したインデックスファンドの方がコストも低く、安定した運用が見込めます。
S&P500は右肩上がりを続けており、過去30年の年率リターンは9.9%と驚異的な成績を残しています。
さすがに今後は成長も鈍化し、多少リターンは落ちると思いますが、当分の間は安泰と言って良いでしょう。
そのため、リスクとコストの高いアクティブファンドに投資するよりは、S&P500に連動したインデックスファンドに投資した方が良いと考えられます。
もしS&P500に投資するならeMAXIS Slim米国株式(S&P500)がおすすめです。
信託報酬は0.1728%(税込)と格安ですし、純資産総額も毎月安定した資金流入があり150億円弱まで増えてきています。
つみたてNISAにも対応しており、税制面でもメリットがあります。
下記は2ファンドの比較チャートです。(青=eMAXIS Slim、赤=フィデリティ)
2ファンドともに、運用期間が1年も経っていないため、あまり意味がないかもしれませんが、比較するとeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の方が好成績となっています。
1年弱の期間でもすでにS&P500がアウトパフォームしていることを考えると、わざわざ高いコストを払ってまでフィデリティ・米国株式ファンドに投資するべきではないと思います。
(出典:YAHOOファイナンス)
長期的に米国株式に投資するならフィデリティ・米国株式ファンドではなくeMAXIS Slim米国株式(S&P500)に投資するべきですね。
さいごに
今回はフィデリティ・米国株式ファンドの分析と投資対象としてどうか考えてきました。
長期投資で考えると、アクティブファンドよりもインデックスファンドの方が高いリターンをあげることが多いです。
米国では80%以上のインデックスファンドがアクティブファンドをアウトパフォームしているという事実もあります。
短期投資ならフィデリティ・米国株式ファンドへの投資もありですが、長期で投資する場合はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)にするべきですね。
今日も『ぼーやんぐのインデックス投資ブログ』に来ていただきありがとうございます!
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