どうも、ぼーやんぐです。
モーニングスターから各資産クラスの年初来(8月末まで)のトタールリターンの順位が発表されました。
好調な米国株式を抑え、J-REITが1位となっています。
当ブログではJ-REITは取り上げたことがなかったので、今回はJ-REITについて基礎的なことから、投資対象としてどうか検証していこうと思います。
(引用:MORNIGSTAR)
J-REITとはどんな金融商品か?
J-REIT(不動産投資信託)ってなに?
多くの投資家から集めた資金で、オフィスや商業施設、マンションなどの複数の不動産を購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する金融商品です。
REITは米国で生まれた制度で、『Real Estate Investment Trust』の略で『REIT』と呼ばれています。
日本では『JAPAN』の『J』をつけて『J-REIT』と呼ばれています。
日本では2001年から販売されている比較的新しい金融商品です。
J-REIT(不動産投資信託)の仕組み
J-REITは法律に基づき、『不動産投資法人』と呼ばれ、会社に似た形態をとっています。
J-REITは株式会社でいうとこの株式に当たる、『投資証券』を発行し、投資家はこの投資証券を購入します。
その資金で不動産に投資をして、賃貸収入や物件の売買で得られた収益を投資家に分配する仕組みです。
(引用:楽天証券より)
REITでは基本的に利益の90%以上を分配すれば法人税が課税されません。
従って利益のほとんどが投資家に分配されることになるので、株式よりも高い分配金(配当)が期待されます。
J-REIT(不動産投資信託)のメリット
1.少額から不動産に投資ができる
一般的に不動産に投資する場合、多額の資金が必要になります。
REITなら少額から間接的に不動産に投資することが可能です。
投資信託では100円から投資することができます。
2.いつでも好きな時に売買ができる
通常の不動産ですと頻繁に売買することができません。
しかし、REITなら通常の投資信託と同じで毎日の売買が可能です。
3.複数の不動産に分散投資できる
REITは複数の不動産に投資し、運用しているので、1件の不動産価格や賃料の下落が起きても、他の不動産でその下落分をカバーすることが可能です。
J-REITの指数と成績
J-REITには株式や債券の投資信託と同じく指数(ベンチマーク)があります。
その中でも代表的なのが『東証REIT指数』です。
東証REIT指数とは、東京証券取引所に上場しているREIT(不動産投資信託)全体の動きを表す指数です。
上場している全60銘柄が対象となっており、浮動株時価総額加重平均で算出されてます。
簡単に言うと政府や親会社などが保有している普段売買できない株などを省いて算出する方法です。
次に東証REIT指数の成績を見ていきます。
下記は2017年と2018年の8月末までの東証REIT指数とTOPIXの上昇、下落率を表した表です。
2018年の東証REIT指数は配当込みの場合で年初来8.41%と好調に推移しています。
好調な不動産市況や金利の安定が背景にあるようです。
また、都心オフィスの賃料上昇や、空室率の低水準化も要因の1つとなっています。
昨年はJ-REITが軟調なのと、TOPIXが堅調だったこともあり、約30%の差をつけられてましたが、今年はだいぶ盛り返しています。
ただ、今年は好調ですが、昨年から見ると辛うじてプラスに転じたという状況ですね。
(引用:ニッセイ マーケットレポートより)
下記はここ10年間の上昇率を表した表です。
昨年のREITは不調でしたが、ここ10年で見るとほとんどの期間をREITがTOPIXをアウトパファームしているのが分かります。
ただ、昨年TOPIXが急上昇したこともあり、ほぼ同じ上昇率に落ち着いています。
(引用:SBI証券より)
J-REITファンドの詳細確認
J-REITの仕組みや直近の好成績を見ると、興味が湧いてきますね。
では、実際にどんなファンドがあるのか、コストが最安のインデックスファンドとアクティブファンド、純資産総額が一番多い人気ファンドの3本を紹介します。
ニッセイ J-REITインデックスファンド
東証REIT指数に連動した成果を目指すファンドです。
組入銘柄は全60銘柄になっていて、下記が上位10銘柄になります。
(引用:ニッセイ J-REITインデックスファンド マンスリーレポートより)
詳しい個別銘柄情報は下記サイトが分かりやすくて、参考になります。
JAPAN-REIT.COM - 全ての投資家のための不動産投信情報ポータル REIT一覧(リートデータ)
次にコストです。
買付手数料、信託財産保留額は無しです。
信託報酬は0.27%(税込)と、REITファンドの中では最安のファンドになります。
最近の株式のインデックスファンドに比べると若干高いですが、想像していたよりは安いですね。
次に成績です。
まず、純資産総額は9月19日時点で約86億円となっています。
最安のファンドですが、思ったほど資金が集まってませんでした。
下記は騰落率と設定来のチャートです。
騰落率が常にベンチマークより下回ってるのは気になるとこです。
また、チャートを見ると、2014年からほぼ横ばいで、基準価格がなかなか上がって行かない状態が続いてます。
分配金の支払いは現時点では1度も無しです。
(引用:ニッセイ J-REITインデックスファンド マンスリーレポートより)
ノーロード明治安田 J-REITアクティブ
こちらはJ-REITのアクティブファンドになります。
銘柄の組入れはマクロ動向、不動産市況、個別銘柄の定量、定性面を分析し、銘柄を選定するようです。
下記は組入上位10銘柄です。
組入銘柄数は8月末時点で25銘柄になっているので、東証REIT指数の半分以下の組入銘柄になっています。
現時点での組入比率としてはオフィス60%、商業、物流25%、住宅15%です。
(引用:ノーロード明治安田 J-REITアクティブ マンスリーレポートより)
次にコストです。
買付手数料、信託財産保留額ともに無しです。
信託報酬は0.297%(税込)とインデックスファンドとほとんど変わらず低コストです。
次に成績です。
純資産総額は9月19日時点で約5.4億円とあまり集まっていません。
2016年末から運用されているので、この少なさは気になるとこです。
下記は騰落率と設定来のチャートです。
まず騰落率の参考指数は東証REIT指数のことです。
常に指数をアウトパファームしているのでアクティブファンドとしては合格ですね。
チャートを見ると昨年後半から好調に上昇しているのが分かります。
こちらも分配金の支払いは現時点では1度も無しです。
(引用:ノーロード明治安田 J-REITアクティブ マンスリーレポート より)
三井住友TAM J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)
最後に純資産総額の一番多い人気ファンドを見ていきます。
こちらもアクティブファンドになります。
安定したインカムゲイン(配当などの収益)の確保を目指した運用をされています。
下記は組入上位10銘柄です。
8月末時点での組入銘柄は51銘柄と多いですが、上位の銘柄を比べると、上2つのファンドとはだいぶ異なり、配当利回りを重視した比率になってることが分かります。
(引用:三井住友TAM J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)マンスリーレポートより)
次にコストです。
買付手数料は2.7%(500万円以上で1.62%、1000万円以上で0.54%と値引きされます。)
信託報酬は1.08%(税込)。
信託財産保留額は0.3%と3つのコストがかかってきます。
次に成績です。
純資産総額は9月19日時点で約2600億円とJ-REITの中でダントツ1位です。
株式と同じでコストの高いアクティブファンドの方が純資産総額が多く集まるんですよね。
窓口で購入されている方が多いのが分かりますね。
下記は騰落率と設定来のチャートです。
ここでも参考指数は東証REIT指数になっています。
ここ1年で見ると明治安田のアクティブファンドの方が僅かですがパフォーマンスがいいです。
チャートを見ると、リーマンショック時には60%以上下落してますが、そこからは右肩上がりで来ています。
純資産総額が減少傾向にあるのが気になるところです。
(引用:三井住友TAM J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)マンスリーレポートより)
分配金は安定して毎月定額の支払いがされてます。
株式と違い、賃貸収入があるので、安定した配当を受け取れる安心感はあります。
また、分配金の支払いがあっても基準価格が大きく下落してないのも魅力ですね。
J-REITは投資対象としてどうか?
個人的にはREITを組入れるのは『有り』かなと思いました。
理由としては下記の3つです。
1.株式や債券とも値動きが違うのでリスク分散にも効果的。
2.ボラティリティが大きくなく比較的安定しているため。
3.コストの安いファンドがある。
ただデメリットもあり、不況時には不動産は弱いので、これからリセッションに入った時に下落相場になる可能性はあります。
また、三井住友TAMのファンドはリーマンショック時に60%以上の下落をしてますので、暴落時は株式と同じくらいの下落を予測しておく必要がありそうです。
最大の心配事は東京オリンピック前後の日本ですね。
不動産バブル崩壊、人口減少、景気減退などが予想されてますので、その影響がどこまで出るか気になるところです。
もしこの中で投資するなら、ベタにニッセイ J-REITインデックスファンドですね。
コストが最安なのと、純資産総額も多くはないですが、最低限は集まっているのが理由です。
ノーロード明治安田 J-REITアクティブも気になりますが、純資産総額が少なく、償還リスクを考えると避けたくなります。
三井住友TAM J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)は毎月分配なのが嫌ですね。
またコストが高い割には、東証REIT指数を大きく上回るパフォーマンスが上げれてないのも理由です。
結論を言うとREITも低コストのインデックスファンドがいいってことですね。
さいごに
不動産には興味はありますが、個人で保有するのは、かなりのリスクを伴います。
ましてや今後、人口が減少していくことを考えると、特に地方では個人で不動産投資で利益を得るのは難易度が高くなりそうです。
そう考えると、少額から気軽に投資できる『REIT』は魅力的です。
上場している個別銘柄に投資することも出来ますが、リスク分散の面を考えると初心者は投資信託から始めるのがいいかなと思います。
REITを組入れしている方は多くないと思うので、この機会に検討してみるのも良いかもしれません。
REITも組入れされたバランスファンドに投資するならeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)がおすすめです。
今日も『ぼーやんぐのインデックス投資ブログ』に来ていただきありがとうございます!
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