SBI米国小型成長株ファンド(愛称:グレート・スモール)が新規設定。投資対象としてどうか分析しました。

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どうも、ぼーやんぐです。 

SBIアセットマネジメントよりSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドに続き、今度は米国の小型成長株を投資対象としたファンドが設定されることになりました。

ファンド名はSBI米国小型成長株ファンド(愛称:グレート・スモール)です。

今回はバンガード社とは関係ありませんが、またしても米国株式が対象となっています。

早速詳細確認していきましょう。

 

 

SBI米国小型成長株ファンド(愛称:グレート・スモール)の基本情報

本ファンドは2019年11月29日に新規設定される米国の小型成長株を投資対象としたファンドです。

 SBI証券では11月14日~11月28日 12:00まで先行募集をかけています。

 

投資対象

米国の金融商品取引所に上場している小型株式が投資対象となります。

銘柄の選考方法は流動性と時価総額によるスクリーニングを行い、利益・売上・成長率・株価のモメンタム等を材料に判断されます。

原則的に80~120銘柄程度に分散投資される予定です。

 

また、運用は米国のドリーハウス・キャピタル・マネジメントLLCに委託されます。

丸投げしているような感じですね。

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ドリーハウス社の銘柄選考のプロセスは下記の通りになります。

アクティブファンドのため指数は設定されていませんが、ラッセル2000グロース・インデックス指数を超過することが目標とされています。

※『ラッセル2000グロース・インデックス』とは米国株式市場全体の時価総額上位3000銘柄で構成される『ラッセル3000インデックス』の下位2000銘柄のうちPBR・成長率が高いとされる銘柄で構成された指数。

f:id:bo-yang:20191116063312p:plain(出典:SBI米国小型成長株ファンド(愛称:グレート・スモール)目論見書)

 

 投資の仕組み

投資の仕組みはファミリーファンド方式で運用されます。

また為替ヘッジは『なし』となっています。

f:id:bo-yang:20191116064158p:plain(出典:SBI米国小型成長株ファンド(愛称:グレート・スモール)目論見書)

 

運用コスト

 アクティブファンド + 小型株 + ドリーハウス社に丸投げのため運用コストが割高となっています。

購入手数料は3%(税抜)となっていますが、SBI証券のインターネットコースでは無料となっていますので、投資する際は必ずインターネット証券から投資することが必須です。

信託財産保留額は0.3%となり、売却によるペナルティーが課せられます。

 

信託報酬がややこしいです。

基本的な信託報酬は1.425%(税抜)となっています。

しかし、そこに実績報酬というものがプラスされます。

 実績報酬はある一定の成績を上回った場合、その上回った分から10%(税抜)が信託報酬にプラスされる仕組みです。

要は出来高払いみたいなものです。

 

ハイ・ウォーター・マークというのが基準となっており、2020年5月25日までは基準価格が1万円を超えていると、超えている分に関してはさらに10%の実績報酬が持って行かれます。

ファンドの新規設定は基本1万円からなので、基準が低い気がしますね。

実際の信託報酬がいくらになるのか、全く読めないのは投資家としては辛いです。

f:id:bo-yang:20191116065757p:plain(出典:SBI米国小型成長株ファンド(愛称:グレート・スモール)目論見書)

 

SBI米国小型成長株ファンド(愛称:グレート・スモール)は投資対象としてどうなのか?

 本ファンドの基本情報を確認してきました。

米国の小型成長株に集中投資できるということで、大型株が投資対象となっているS&P500よりも高いリターンが期待できます。

 

実際に下記は米国バンガード社が運用するバンガード・ラッセル2000グロースインデックスファンドETFS&P500の2011年からの比較チャートです。

ほとんどの期間で青のラッセル2000がS&P500をアウトパフォームしています。

特に2018年の上昇の勢いは半端ないですね。

過去約8年間の上昇相場ではS&P500よりも小型成長株のラッセル2000グロースインデックスに投資していた方が高いリターンを上げれたことになります。

f:id:bo-yang:20191116071355p:plain(チャート:YAHOO FINANCE USA)

 

個人的には本ファンドに投資することはあまりおすすめできません。

理由は下記の2つです。

1.信託報酬がいくらかかるのか分からない。

2.近い将来リセッション入りする可能性が高い。

 

1.信託報酬がいくらかかるのか分からない。

基準価格に応じて実績報酬というものが追加でかかるため、成績が良くなればなるほどコストは上昇していきます。

そのため、常に信託報酬は変動しますし、実際にコストがいくらかかっているのかよく分かりませんよね。

また、高い成績を上げても、その分コストも上昇するため実質のリターンを押し下げることに繋がります。

 

S&P500をベンチマークとしたSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドの信託報酬は0.088%(税抜)と格安です。

S&P500の成績をアウトパフォームするには毎年、信託報酬分以上の成績を上げないといけません。

結局コストが高いファンドに投資することは直近の成績が良くても、長期で見ると不利なんですよね。

 

2.近い将来リセッション入りする可能性が高い。

これは予想のため、どうなるかは分かりませんが米国は近い将来リセッション入りする可能性が高いと言われています。

リセッションが起きたからとリーマンショック時のような大暴落が起きるとは限りません。

しかし、小型株はリスクが高い分、株価が下がれば売られやすい傾向にあるので、大型株よりも大きく下落します。

実際に先ほどのラッセル2000グロースインデックスのチャートを見ても下落幅はS&P500に比べて非常の大きいですよね。

 

近い将来リセッション入りする可能性が高いのに、さらにリスクの高いファンドに投資するのは危険すぎますね。

短期で投資するのも良いですが、信託財産保留額もかかりますし、あまりおすすめできません。

 

上記の2点からもSBI米国小型成長株ファンド(愛称:グレート・スモール)に投資することはおすすめできません。

それならコストの低いS&P500をベンチマークとしたファンドに投資した方が長期的には高いリターンが上げれる可能性が高いでしょう。

 

 

さいごに

今回はSBI米国小型成長株ファンド(愛称:グレート・スモール)について書いてきました。

米国株式が人気ということで、各社様々な米国株式を対象としたファンドを設定してきていますね。

しかし、結局S&P500やVTI(全米株式)が最適なのかなと思います。

直近の成績が良くても、コストが高ければ長期的にS&P500やVTIをアウトパフォームし続けることは難しいでしょう。

米国に投資する際は無難にS&P500かVTIに長期で積立していくのが良いでしょう。

 

今日も『ぼーやんぐのインデックス投資』に来ていただきありがとうございます!

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