どうも、ぼーやんぐです。
インデックスファンドは低コスト化が進んでますが、そのため運用期間の短いファンドが多くなっています。
そんな中、三井住友TAM-世界経済インデックスファンドは2019年1月16日で運用開始10年を迎えました。
今でも安定した資金流入があり、投資家からも信頼されているようです。
今回は三井住友TAM-世界経済インデックスファンドの10年の運用成績を確認していきます。
世界経済インデックスファンドの基本情報
本ファンドは株式50%、債券50%に投資するバランスファンドです。
王道中の王道の投資比率となっています。
各資産クラスへの投資比率は下記の通りです。
気になるのは新興国の比率が高いことです。
GDP比率で組入されているため、全体の30%を占めています。
時価総額基準ですと10%強なので、比較するとかなり高いことが分かります。
新興国の比率が多い分、時価総額比率よりもリスクが高くなる傾向にあります。
(出典:世界経済インデックスファンド目論見書)
ベンチマークはごく一般的に使われている指数が多く、eMAXIS Slimバランス(8資産均等)でも下記の指数が使われています。
(出典:世界経済インデックスファンド目論見書)
組入国はやはり米国が圧倒的に多いです。
今や米国抜きには世界分散投資も成立しないほどの影響力があります。
10位のケイマン諸島はタックスヘブンとして有名な場所です。
なぜ上位に入っているかというと中国のテンセントやアリババが課税などを回避する為、ケイマン諸島から上場してからです。
(出典:世界経済インデックスファンド月次レポート)
最後にコストです。
買付手数料 | なし |
信託財産保留額 | 0.10% |
信託報酬 | 0.54%(税込) |
低コストのバランスファンドの信託報酬は0.2%以下になっていますので、割高に感じます。
少し前までのバランスファンドなら、これくらいのコストが普通でしたので、低コスト化が急激に進んだことがわかります。
世界経済インデックスファンドの10年間の成績
ファンドの成績
では10年間の成績を見ていきます。
リーマンショック後に設定されたこともあり、基準価格は10年間好調だったと言えます。。
2016年はチャイナショックの影響で大きく落としましたが、2017年に再び盛り返しています。
2018年に入ってからは横ばいの状態が続いています。
純資産総額も安定的に増えており、2017年の上昇相場で急激に上昇してます。
株価が高くなると、多くの人が投資をしたくなるという心理が純資産総額の増え方で分かりますね。
2019年3月末時点で612億円まで増えており、バランスファンドの中でもベスト5に入る純資産総額の大きいファンドになっています。
(出典:世界経済インデックスファンド月次レポート)
騰落率は設定来で+124.01%となっており、設定初期から投資をしていた場合、大きなリターンを得れたことになります。
ただ、2018年10~12月に世界的に株価が下落したこともあり、6ヶ月の騰落率は-1.97%となっています。
トータルリターンでは5年までしか出てないですが、年率4.39%と良い成績をあげています。
期間 | 騰落率 |
3ヶ月 | 6.92% |
6ヶ月 | -1.97% |
1年 | 1.88% |
3年 | 16.34% |
設定来 | 124.01% |
もし10年前から毎月3万円積立していたら...いくら増えたのか?
では実際に10年前から毎月3万円を積立投資していたら、どのくらい増えたのか確認してみます。
10年前から毎月3万円の積立投資を開始していた場合、元本が360万円に対して
今では505万円まで増えたことになります。
もし10年前に360万円を一括で投資した場合、724万円と倍以上になってことになります。
リーマンショック後で株式市場が好調だったこともありますが、長期で投資をすれば大きく資産を増やすことが出来るということが分かります。
【関連記事】【少額から投資をはじめる3つのメリット】 失っても困らないお金で投資することが大切
また、積立投資は時間の分散ができ、精神的には安定して投資できますが、上昇相場では一括投資の方がメリットが大きいです。
どちらが良いかはその時次第ですが、すでにある程度の資産がある場合は、最初にまとまった資金を入れることも検討した方が良さそうです。
(出典:MORNINGSTAR)
世界経済インデックスファンドの競合
世界経済インデックスファンドの競合はセゾン投信が運営しているセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドでしょう。
投資比率は世界経済インデックスファンドと同じ株式50%・債券50%の王道比率です。
ただし、世界経済はGDP比率ですが、セゾンは時価総額比率で組入されています。
先述しましたが、GDP比率の方が新興国が多いので、リスクは高めになります。
資産クラス | GDP比率 | 時価総額比率 |
国内 | 10% | 10% |
先進国 | 60% | 80% |
新興国 | 30% | 10% |
信託報酬も0.60%と世界経済と近いコストとなっています。
純資産総額ではセゾンは1,600億円を超えており、世界経済の3倍近くとなっています。
また独立投信として情報発信能力が高く、初心者でも安心して長期間の積立・保有ができるようサポートされているので、純資産総額では大きな差がついていると考えられます。
個人的にはセゾンの方が安心して投資を続けれると思いますが、好みの問題となってきそうです。
新興国の将来に期待するなら世界経済インデックスファンド、安定した運用を望むならセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドが良いでしょう。
世界経済インデックスファンドは投資対象として今後も大丈夫?
10年間の実績もありますし、純資産総額も多く集まっており、資金流入も安定していることから、この先も問題なく運用されるのかなと思います。
しかもGDP比率で投資できるバランスファンドはほとんど無いので、GDP比率で投資したい場合には最適なバランスファンドだと思います。
ただ、コストが気になります。
すでに投資している場合、乗り換えるのは課税対象になり、複利の効果も薄れてしまうので、乗り換えするほどではないです。
しかし、新規で投資するのは避けた方が良いでしょう。
どうしてもGDP比率にしたい場合は、個別ファンドを組み合わせて投資する事で、コストを大きく抑えることができます。
もしどのファンドか迷う場合は全てeMAXIS Slimシリーズで良いでしょう。
新興国債券のファンドがないので、先進国債券を多めにして5資産で投資すれば信託報酬も0.2%以下に収まります。
資産クラス | ファンド | 信託報酬(税込) |
国内株式 | eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | 0.1512% |
先進国株式 | eMAXIS Slim先進国株式 | 0.11772% |
新興国株式 | eMAXIS Slim 新興国株式 | 0.20412% |
国内債券 | eMAXIS Slim 国内債券 | 0.1296% |
先進国債券 | eMAXIS Slim 先進国債券 | 0.1512% |
リバランスが必要なのは手間ですが、0.3%以上のコスト差を考えると、1年に1度程度ですし、頑張ってリバランスしても良い気がします。
リバランスもしたくないという場合は投資比率は違いますが、eMAXIS Slimバランスが良いと思います。
債券比率が減るので、リスクは少し高くなりますが、純資産総額もそこそこ集まっており、信託報酬も0.1512%(税込)と安いので間違えないと思います。
さいごに
コストは高いですが10年という実績は安心感が持てますね。
最近設定されたインデックスファンドはコストは安いですが、指数が同じファンドも乱立しており、純資産総額も低く、長期的に運用が出来るのかも不安になります。
どれだけ安いコストのファンドに投資していても、償還になれば意味がないです。
ただ、世界経済インデックスファンドの0.54%という信託報酬は時代遅れ感があるので、新規で入るのはオススメできないです。
コスト、純資産総額などバランスを見てファンドを選ぶ事が大切ですね。
今日も『Boyang Journal』に来ていただきありがとうございます!
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