どうも、ぼーやんぐです。
新興国株式は米中貿易摩擦の影響を強く受けており、ボラティリティーが非常に高くなっています。
そのため、短期では非常にリスクが長いので、長期的な視点で運用することが大切です。
今回は新興国株式に投資出来るインデックスファンドの中で、おすすめの3ファンドの紹介と比較をしていこうと思います。
インデックス投資をこれから始める方は下記を参考にしてください。
- 2019年の新興国はボラティリティーが高い
- おすすめの新興国1. 楽天・新興国株式インデックス・ファンド
- おすすめの新興国2. eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
- おすすめの新興国3. SBI 新興国株式インデックス・ファンド(旧名称 EXE-I つみたて新興国株式ファンド) ※2018年9月5日より名称変更。
- 3社の比較 (楽天/eMAXIS Slim /SBI)
- さいごに
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2019年の新興国はボラティリティーが高い
2018年の新興国株式は1年を通して下げ続けました。
投資すればするほど、含み損が増えていくナンピン地獄でした。
しかし、2019年に入ってからはやっと反発し、安堵していたのも束の間、米中貿易摩擦が悪化し、4月から再び大きく下落をしています。
そして9月からは再び上昇をはじめており、非常にボラティリティーが高い値動きとなっています。
2018年の新興国株式の不調は貿易摩擦による中国経済の減退とアメリカの長期国債の金利上昇をうけて、投資資金が新興国から米国長期国債に移動した2点が主な原因となっていました。
中国はそんな状況を打破しようと経済対策を連発しており、その効果が少しづつ表れてきています。
上海総合指数も2019年1月から持ち直していますね。
ただ、すぐに息切れしてしまい、その後は横ばいといった感じです。
(出典:YAHOOファイナンス)
現時点では経済的、政治的にも不安定な部分が多く、どうしてもボラティリティーが高くなってしまいがちです。
しかし、将来的に先進国に比べて高い経済成長率が期待できるため、アセットアロケーションの一部には組入れたいところです。
ではベンチマークが異なるおすすめの新興国株式3ファンドを紹介していきます。
おすすめの新興国1. 楽天・新興国株式インデックス・ファンド
投資対象
楽天・新興国株式インデックス・ファンドは米国バンガード社のETFに投資をするというシンプルなファンドです。
対象のETFはバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)です。
ベンチマークはFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)となっており、新興国市場の大型・中型・小型の4715銘柄がカバーされています。
1本で新興国に丸ごと投資することができ、今回紹介する3ファンドの中でも一番組入銘柄数が多いファンドとなっています。
国別構成比では中国が3分の1を占めており、中国経済が基準価格に与える影響が大きくなっています。
下記は組入れ上位10銘柄です。
テンセントやアリババなど上位5銘柄はハイテク産業が占めています。
今後、新興国もハイテク銘柄が増えてくると考えられます。
(出典:楽天・新興国株式インデックス・ファンド 月次レポート )
コスト
信託報酬は0.24%(税抜)と高くはないですが、他の2ファンドに比べると割高となっています。
運用成績(2019年9月末時点)
設定来の運用成績を確認していきます。
まず純資産総額は11.67億円とあまり人気がありません。
資金流入は続いているものの、2019年に入ってからは流入金額も少なくなってきています。
途中償還リスクが高いのは気になるところです。
騰落率では設定来で-10.60%と散々な結果となっています。
過去3ヶ月、6ヶ月、1年でも全てマイナスとなっています。
また、気になるのはベンチマークとの乖離で、設定来で2%弱も下振れしています。
基準価格と純資産総額を表したチャートになります。
(出典:楽天・新興国株式インデックス・ファンド 月次レポート )
おすすめの新興国2. eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
投資対象
ベンチマークはMSCIエマージング・マーケット・インデックスとなっており、新興国24カ国の大型株、中型株を対象に1172銘柄で構成されてます。
楽天に比べて4分の1以下の組入れ銘柄数となっています。
下記は組入国の構成比です。
ケイマン諸島が1位と怪しい比率になっています。
中国のテンセント、アリババ、バイドゥなどがケイマン諸島籍になっており、中国企業が節税や、規制逃れのためにケイマン諸島で上場しているからです。
ケイマン諸島はタックスヘブンとして有名な国で、世界中の企業が節税目的でケイマン諸島に籍を置いています。
また、楽天では韓国が入っていませんでしたが、MSCIでは韓国は新興国扱いとなります。
組入れ上位10銘柄ではテンセントやアリババ、サムスンなどハイテク銘柄が上位に多くなっています。
(出典:eMAXIS Slim 新興国株式インデックス 月次レポート)
コスト
信託報酬は0.189%(税抜)と割安です。
eMAXIS Slimシリーズは他のファンドに対抗して信託報酬を何度も値下げしていますので、乗り換えなどしなくても常に資産クラス最低水準のコストで投資ができるのは嬉しいポイントです。
運用成績(2019年9月末時点)
純資産総額は195.30億円と多くの資金が集まっています。
資金流入も5~10億円程度が毎月安定して入っているので、償還の心配も現時点ではありません。
騰落率は楽天同様に過去1ヶ月以外は全てマイナスとなっております。
韓国が入っているため、楽天とは多少異なった成績となっており、過去1年では-2%ほど劣後しています。
韓国経済の調子が良くないことが原因ですね。
基準価格と純資産総額を表したチャートになります。
ファンド詳細は別記事でまとめていますので、参考にしてください。
おすすめの新興国3. SBI 新興国株式インデックス・ファンド(旧名称 EXE-I つみたて新興国株式ファンド) ※2018年9月5日より名称変更。
投資対象
こちらも楽天同様に米国のETFに投資をしているファンドです。
投資先はチャールズ・シュワブ証券が運用するシュワブ・エマージング・マーケッツ・エクイティETFとなっています。
楽天が投資しているバンガードのVWOよりもコストが安いため注目されているETFです。
ベンチマークはFTSEエマージング・インデックス(円換算ベース)で21カ国の大型、中型を対象に約1000銘柄で構成されています。
組入数はeMAXISと同じくらいですが、楽天同様に韓国が入っていません。
上位10銘柄は楽天と似た構成となっています。
ただし、組入れ銘柄数が少ないため、上位3銘柄の比率が大きくなっています。
(出典: SBI 新興国株式インデックスファンド 月次レポート )
コスト
信託報酬は割安となっており0.19%(税抜)です。
eMAXIS Slimの方が0.01%低いですが、税込にするとSBIの方が低くなるので、実質新興国株式最低コストのファンドです。
これは米国ETFの信託報酬には消費税がかからないためです。
運用成績
純資産総額は22.49億円と楽天同様にあまり人気がありません。
資金流入は少しづつ増えてきており、2019年に入ってからは1億円を超える月が増えてきています。
流入が増えているので、償還の心配もそこまで無いのかなと思います。
騰落率では韓国が組入れされていないため、楽天に近い騰落率となっていますが、若干SBIの方が成績は上回っています。
チャートは3ファンドともにほぼ同じ値動きですね。
(出典: SBI 新興国株式インデックスファンド 月次レポート )
ファンド詳細は別記事でまとめていますので、参考にしてください。
3社の比較 (楽天/eMAXIS Slim /SBI)
では3社のどこに投資したら良いのか比較していきます。
信託報酬(税抜) | 純資産総額 | |
楽天×バンガード | 0.240% | 11.67億円 |
eMAXIS Slim | 0.189% | 195.30億円 |
SBI | 0.190% | 22.49億円 |
まずコストの面で見るとeMAXIS SlimかSBIということになります。
ただ3ファンドともに0.05%程度の差なので、投資金額が数百万円程度なら、どのファンドに投資してもそこまで気にする必要はないでしょう。
純資産総額ではeMAXIS Slim新興国株式インデックスが圧倒的に多く、繰上償還リスクを考えるとeMAXIS Slimが安定した運用が期待出来そうです。
『繰上償還』ってなに?
決められていた信託期間が終了する前に、運用が終了することを『繰上償還』と言います。
純資産総額が減少し、資産規模が小さくなりすぎると運用が難しくなるため、前倒しで償還されてしまう場合があります。
あとは組入比率の好みですが、なるべく多くの銘柄に分散したいなら4000銘柄をカバーしている楽天・新興国株式インデックス・ファンド、韓国の成長に期待するならeMAXIS Slim新興国株式インデックスとなります。
長期投資の場合、純資産総額と資金流入が重要です。
繰上償還になると自動的に売却されてしまい、また最初から投資する必要が出てきます。
しかも売却時に課税もされてしまうので、運用が非効率となってしまいます。
そのため、現時点では純資産総額と資金流入が安定しているeMAXIS Slim新興国株式インデックスで間違えないでしょう。
さいごに
今回はおすすめの新興国株式3ファンドを紹介してきました。
2018年からの新興国は不調で、アセットアロケーションから外したい気持ちにもなります。
しかし、 高い成長性が期待できるため10年後には大きなリターンをもたらしてくれるかもしれません。
経済成長と株価は比例しないので、何とも言えませんが...
ただ、米国以外の先進国に比べれば投資対象としては魅力的です。
2050年の予測を見ると、含み損を大きく抱えている方も安心出来るかもしれません。
あとはどのファンドを選ぶかですね。今回は異なるベンチマークを採用している3ファンドを紹介しました。
組入れ銘柄数や、韓国の有無など自分の好みに合わせて投資しても良いと思いますが、インデックス投資で一番起きて欲しくない途中償還リスクがあるファンドは避けたいです。
そうなると先述した通り、eMAXIS Slim 新興国株式が一番妥当な選択肢となるでしょう。
今日も『ぼーやんぐのインデックス投資』に来ていただきありがとうございます!
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